今回は、プロモーションマンガには欠かせない『伝えたい相手=ターゲット』について、
その重要性とそれを意識して作られているマンガ作品についてご紹介します。

そもそもターゲットを作るのってそんなに大事なの?

マンガに限らず、アニメでも映画でも小説でもドラマでもバラエティーでも、
それを見てほしい相手=ターゲットというのは必ず設定されるものです。

マーケティングで言いますと、
『誰に』『どんな価値を』『どうやって提供する』の段階
で決める
『誰に』の部分になります。

その『誰に』を選定する手段として、
市場の全体像を把握できる【セグメンテーション】
『どんなニーズを持ったどんな属性の顧客層』なのかを把握し、
【ターゲティング】理想の顧客像=ターゲットを作りあげる、されています。

でも、マンガやアニメは娯楽の一環で、老若男女、千差万別に楽しめるものじゃないの?
と思われるかもしれません。

確かに、娯楽とは多くの方が分け隔てなく楽しめることが前提だと思いますが、
そのコンテンツの中に、『これだけはどうしても伝えたい』『このメッセージは特にこの層の方に知ってもらいたい』という意思があるのなら、明確にターゲットを決めたコンテンツ作りをされるほうが、より効率的に『認知』『共感』『理解』を促すことができます。

プロモーションマンガにおいても、このターゲットの選定は、ヒアリングからお聞きして、マンガの内容や雰囲気をそのターゲット層に直に伝わるように意識して制作しています。

ターゲットが30代女性なのに、マンガのキャラクターや雰囲気が青年誌風だとちぐはぐな感じがしてしまいますからね😅

では、一般のマンガやアニメはどうターゲットを選定しているのか?
かなり個人的選出ではありますが、ターゲットを明確にしているなぁと思われるマンガ&アニメを3点
ご紹介いたします。あくまで、個人的な意見なのでご了承いただければ幸いです😅

ターゲットを意識している作品その1:『魔女見習いをさがして』

『魔女見習いをさがして』
かつて2000年代初頭に日曜の朝から放送されていた『おジャ魔女どれみ』というアニメ作品を
ご存知でしょうか?

今だとプリキュアシリーズが放送されている枠で、この放送枠作品のメインターゲットは女子児童です。
たぶん3歳~10歳前後といったところでしょう。

この『魔女見習いをさがして』はその『おジャ魔女どれみ』シリーズ20周年を記念して2020年に上映されたアニメ作品です。

『おジャ魔女どれみ』が女子児童層をターゲットにしているんだから、その映画である『魔女見習いをさがして』も同じターゲット層なんじゃないの?と思われるでしょうが、実は全然違うくて、この映画のターゲット層は「かつておジャ魔女どれみを見ていた現代を生きる20代の働く女性」なんです。

『おジャ魔女どれみ』は確かに幼児向けの内容ですが(しかし中には大人が見ても考えさせられるストーリーもちゃんとあるので大人の鑑賞にたえうる名作です)、今の子が夢中になってるのはあくまでプリキュアであり、20年前の魔女っ娘アニメが今の子供に受け入れらるかは定かではありません。

20年前のアニメの記念作品をターゲット層を変えずに今作ることに必要性があるのか?
この作品を見て喜んでくれるターゲット層は誰なのか?

アニメを制作されたスタッフの方々はとても悩まられたと思います。

ドラゴンボールやガンダム、セーラームーン等、今現代でもコンテンツとして姿形を変えても生き続けている作品ならば、劇場用アニメとして、その世界観やストーリー、キャラクターをそのまま使用して地続きの特別版ストーリーをターゲット層を変えずに作ることはそうおかしくはないでしょうか。

しかし、『おジャ魔女どれみ』はアニメとしてはすでに終了していたコンテンツであり、
(主人公たちが大人になった小説版は続いていましたが)
作品の世界観そのままを新しい劇場版作品として打ち出しても、単なる懐かしいアニメ作品の映画化になってしまう恐れがあります。

ならば、今『おジャ魔女どれみ』が復活して一番喜んでくれるのは誰なのか?
それはかつて『おジャ魔女どれみ』を見ていた子供たち=今現在20代になっている女性、
というわけです。

僕はこの大胆なターゲット層のシフトチェンジを知った時、ものすごく潔いな、と思いました。

ストーリーも『おジャ魔女どれみ』の延長線ではなく、
現実に生きるかつて『おジャ魔女どれみ』を見ていた3人の女性たちが、仕事や生活の中で問題にぶつかりながら、『おジャ魔女どれみ』から学んだ事を改めて心の支柱にして生きていく、といったリアルなドラマ作品となっています。

これはもう、同じ境遇の20代女性の方々は感情移入しまくりになったのではないでしょうか?

ターゲットを意識している作品その2:『きのう何食べた?』

『きのう何食べた?』
この作品は青年誌で連載されているマンガで、最近では実写ドラマ化され人気を博したので有名ですよね。
僕も連載開始当時から好きなマンガでコミックスも全巻集めています☺

ストーリーは、弁護士と美容師の同性カップルを軸に、『食』をテーマにした日常ドラマです。

主人公たちが同性カップルということで、LGBTをメインターゲットにした作品…と思われがちですが(もちろんそれも含めてですが)、メインターゲットは40~50代の男性社会人だと思われます。

作品内で取り上げられるテーマは、『食』だけでなく、仕事、家族、健康、親の老後、自身の老後、と、4.50代の男性が直面する身近な問題ばかりです。

そんな問題に主人公たちの目線を通して、どう対面すればいいのか、どう乗り越えていけばいいのかをやんわりと(笑)教えてくれる作品です。

LGBTを扱っている作品だからと言って、敬遠している方もいらっしゃるかもしれませんが、この多様性の時代を主人公たちを通して疑似体験することで、見えてくる共感部分もあるのではないでしょうか。

ちなみに、ストーリーが続いていることで、作中の時間も10年以上経過しています。
主人公たちが直面する問題も、年齢を重ねることで移り変わりしているのがとてもリアルです。

出てくるキャラクターも増えてきて、サブターゲットして30代前後のテーマもちょこちょこ出てきてきますが、あくまでサブとしてのターゲットテーマなんじゃないかなと思われます。
この30代前後のキャラクターに感情移入した新規読者も後々40代、50代と年齢を重ねていくので、
長期連載に対応した、読者が移り変わっても、いつかは同年代になってまた共感が生まれる…という作りになってるんですね。

そう、最近のマンガ長期にわたって連載されているのが多いのです。
そうなるとそれを読み続けてる読者層も自然と変わっていくのが常なのですが、それをかなり意識してターゲット層をシフトチェンジしている作品が…

ターゲットを意識している作品その3:『名探偵コナン』

『名探偵コナン』
言わずと知れた、国民的マンガコンテンツです。

高校生の主人公がある薬によって小学生になってしまい、その体のままあらゆる事件を解決していく…といったもはや説明いらずのマンガですね。

この漫画、1994年から連載開始されており、今年で連載28年となる長寿作品となっています。

連載開始当初は、所謂少年探偵が活躍するアドベンチャーテイストを持ったマンガで、10代少年少女をメインターゲットにしていたと思われるのですが、連載も10年20年も続くと、当初から読み続けている読者も自然と大人になっていきます。
しかし、コナンは作中で一切、歳をとりませんし、成長しません。

ずっと少年探偵であるコナンと、大人になっていく読者では、共感部分も違ってきますし、ストーリーも子供っぽいモノよりも、大人目線のストーリーを欲して行くことになります。

もちろん、新規読者層として、当初の10代少年少女も見据えているのかもしれませんが、ここ数年のコナンは明らかに当初のターゲット層を意識しておらず、連載開始時期からずっと読み続けて大人になった今現在の大人にターゲットをシフトチェンジしています。

分かりやすいところでいうと、ここ数年のコナンは『大人』なキャラクターを増やしているところです。

この『大人』のキャラクターとコナンを絡ませることで、解離してしまったかつて少女少女だった、今の読者の興味や関心をつなぎとめているのだと感じます。

アニメでもある劇場場作品から明らかに、作風が変わってきてますからね😅

特に、28年前のかつての少年少女と、今SNSやネットで得られる情報量が全く違う現代の少年少女って同じ10代でも全然違う環境ですからね。今の子たちは大人の目線で物事を見られるので大人テイストのコナンでも受け入れやす土壌なのかもしれません。

コナンは今でも少年サンデーに連載中ですが、青年誌に移っても遜色ないかも😅

これは同じ長期連載の『ワンピース』にもみられる傾向だと感じます。

まとめ

いかがだったでしょうか。
3作品を通して、いかに読者=ターゲットを選定することのポイントがお分かりになられたでしょうか?

この3作品以外にも、ターゲットを明確に選定したり、シフトチェンジして作風を変えているマンガやアニメ作品はたくさんあります。

そして、そのターゲットにちゃんと伝えたい事が伝わるように工夫されているんだなぁと気づくと、作品を見る目が少し変わってくるのが分かって面白いかと思います。

先述したように、プロモーションマンガでも、伝えたい事が伝えたい相手に確実に伝わるように、伝えたい相手=ターゲットを見極めてマンガ制作を行っております。

ターゲット選定について、ご質問やご相談がありましたら、お問い合わせいただければ幸いです。

それではまた!