マンガ制作を依頼されて、自分だけのオリジナルマンガが手に入った!
このマンガを色々な媒体で好きに使って、ちょこっと絵を変えちゃったりして、
コスパよく活用しまくろう!!
…なんて思っちゃったりしてませんか?😅
確かにご依頼されて作ったマンガはあなたの為に作ったマンガではありますが、
『著作権』についてはクリエイターとどう認識を共有されていますでしょうか?
クリエイターと『著作権』に関しての契約は結ばれていますか?
そのマンガの『著作権』は誰が有しているか把握していますか?
…今回はそんな、意外とよく知られていない、依頼して制作した
マンガの『著作権』および『著作者人格権』について紹介いたします!
著作権と著作者人格権について
『著作権』と『著作者人格権』、どちらも『著作』とついてるので、
同じ意味合いのモノかな?と思われる方も多いと思いますが、
実はこのふたつ、似て非なるモノなんですよね。
『著作権』は聞いたことがあっても、『著作者人格権』は普通に暮らしていれば、
あんまり耳にしない単語ですもんね。
マンガやイラストに関わらず、音楽や文章等、
何かをクリエイターが作り出したら、自然と『著作権』と『著作者人格権』は
その作品を作った本人=創作者に与えられる権利になります。
これは、『著作権法』という法律で定められています。
ではこのふたつ、具体的に何が違うんでしょうか?
各々説明させていただきますね。
著作者とは
先述したように、クリエイターが何かを創作すれば、
自ずとその作品について創作者に与えられる権利が『著作権』です。
『著作権』とは大まかにいうと、
創作した作品を、創作者がどのように活用するか管理できる、という権利です。
創作者が管理できないと、全然関係ない第三者が好き勝手にその作品を
自由に使ってしまえるようになってしまいます。
そんなことになると、創作者には何の利益も得られなくなってしまいます。
それどころか、その第三者が利益を横取りしてしまう恐れも生まれてしまいます。
それを防ぐ法律が『著作権法』…『著作権』となります。
ちなみに『著作権』と一言で言っていますが、
実は『著作権』とは11にもなる権利から構成されています。
かなり端折ってに書きましたが、
例えば誰かが作った作品を自分のコンテンツで利用したいとなった場合、
創作者と上記の権利についてどこまでが許可されるのかを制定した権利ですね。
これらの権利はいずれも創作者は他社に譲渡することが可能で、
創作者の死後に遺族が受け継いだり、クライアントに丸ごと譲渡するケースもあります。
しかし、創作者に無断でこれらの権利を使うことは許されず、
譲渡希望であるならば、必ず利用や譲渡に関する契約書を交わす必要性があります。
契約書もなしで、他者がその著作物の『著作権』の所有を主張してはいけません。
また、基本的に『著作権』の譲渡は無料では行われませんし、
譲渡料の平均価格というのも存在していませんので、著作者の言い値だと
思われた方がいいかもしれません。
著作者人格権とは
こちらの『著作者人格権』は、著作者本人のみ与えられる、人格的利益を守る権利です。
『著作権』と違って、他者に譲渡することはできません。
『著作者人格権』は以下の3つの種類があります。
【公表権】
作品を公表するか否か、公表する場合はどういった形で公表するかを決められる権利。
【氏名表示権】
著作物に著作者名(ペンネームも可)を表示するかどうかを決められる権利。
【同一性保持権】
著作物の中身(タイトルや内容)を著作者の意思に反して勝手に変更されないよう守る権利。
意外とこれらを知らない人が多くて、マンガやイラストだと、
著作者に無断でフキダシのセリフの中身を変えたり、イラストの向きを左右反転したり、
一部のカットを別のイラストと差し替えたりしてしまう事例が跡を絶ちません
「少しくらいならいいだろう」と思われるかもしれませんが、
もし変更したいところがあれば、著作者に確認を取ることをおススメします。
ライセンス契約の内容を確認しましょう
『著作権』も譲渡されず、『著作者人格権』で守られているなら、
依頼して作ったマンガをクライアント(発注者)は、せっかく代金を支払って
依頼したのに好きに使えないじゃないか?、と思われますよね。
ここでの代金とはあくまで『制作費』であり、『著作権』の譲渡を含んだ
料金ではないことを前提としてお聞きください。
当方ソランチでは、ご依頼の際に制作されるマンガが、
何の目的のために作られるのか、メインとなる発表媒体はどこなのか、
をヒアリングで確認させていただきます。
(他のクリエイターさんも同様にされていると思います。)
その上で、その目的…例えば自社商品Aのプロモーションの為のLP用マンガという
ことならば、その目的内でのみの自由な使用を『許諾』させていただいております。
(特に追加費用はないです。)
そして、あくまでソランチの場合ですが、同一目的内であれば、
作成したマンガを使ってマンガ動画にしたり、チラシに使ったり、SNSで拡散したりする
『二次使用』も追加料金なしで許諾しております。
この『許諾』をライセンスといい、許諾範囲内での使用を双方共有把握したものが
『ライセンス契約』と言います。
ちなみに『契約書』を希望なら制作しますが、基本は
『見積書』の段階で使用範囲を制定し、『著作権』の所有者等も記載させていただき、
文面による了承を得てから制作作業に進めさせていただいております。
この形も『契約』の形の一つになります。
しかし、例えば、制作したマンガを商品Aとは全く関係ない、商品Bのプロモーションに
マンガの内容を無断で改竄して使ったりすることは契約違反となります。
必ず、ご依頼の際はこの許諾範囲内を確認していただくことをお願い申し上げます。
最後に
ここまで『著作権』と『著作者人格権』について紹介させていただきました。
『著作権』については、著作者との契約が要になりますので、どこまで使用していいのか
分からないことがあれば、必ず確認されることをおススメします。
後々問題にならないように…😅
というのも、先日、あるクライアントさまに制作したマンガが、全くコチラが知らない第三者に
無断改竄・無断使用されるといった事件が起こりました。
けっこう大変な事態になってしまったので、詳細はまたこのブログでお話したいと思います。
著作権侵害、ダメ、絶対!!w
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