※画像の無断転載・使用・盗用はお止めください。発見した場合、法的手段を取らせて頂きます。

私あおずみは、普段は企業様向けの広告マンガ制作をメインに活動しているのですが、
実はここ数年、神戸の専門学校でマンガ学科の講師もしています。

現在は2校で、それぞれ週1回ずつ授業を担当しており、今年で講師3年目です。

担当しているのは、主にデジタルでのマンガ制作について。
使用ソフトは主に「CLIP STUDIO PAINT」です。

今のマンガ制作では、デジタル作業はほぼ必須と言っても過言ではありません。

ペン入れやトーンだけでなく、

  • ネーム制作
  • コマ割り
  • フキダシ
  • 効果線
  • 仕上げ作業

など、多くの工程がデジタル化されています。

そのため授業でも、単純なソフトの使い方だけではなく、

「なぜその手順なのか」
「どうすれば読みやすくなるのか」
「どう考えて作るのか」

といった、“マンガ制作の考え方”も含めて教えています。

今回はそんな講師業についてや、「マンガの専門学校って実際どんな場所なの?」
という部分について、できる範囲でお話してみようと思います。

なぜ講師業を始めたのか?

広告マンガ家として独立してから、気づけばもう10年以上経ちました。

ありがたいことに長く続けてこられた一方で、正直なところ、

「そろそろ活動範囲がマンネリ化してきたかも…」

と感じていたのも事実です。

どんな仕事でもそうだと思うのですが、同じことを長年続けていると、
ふと新しい刺激が欲しくなる瞬間ってありますよね。

自分の場合もまさにそんな感じでした。

基本的にフリーランスのマンガ制作って、一人で黙々と作業する時間がかなり長いんです。

もちろんクライアント様や同業者の方との交流はあります。
でも、毎日ずっと仕事場にこもっていると、

「このままでいいのかな…?」

と、どこか社会との接点が薄れていくような感覚もありました。

実は以前にも、「講師業やってみない?」と声をかけていただいたことはあったんですが、
その時は完全に断っていました。

「いや、自分には絶対無理です…」

って感じで(笑)

でも、コロナ禍以降の社会の変化や、これから先のライフプランを考える中で、

「何か新しいことを始めないとな」

という気持ちが強くなってきたんです。

そんなタイミングで、偶然にも同時期に2校の専門学校から講師のお話をいただき、

「せっかくだし、一回チャレンジしてみよう!」

と思い切って飛び込んだのが始まりでした。

そもそも「マンガの専門学校」ってどんな場所?

専門学校というのは、特定の職業に必要な知識や技術を実践的に学ぶ“高等教育機関”です。

分野もかなり幅広く、

  • 医療
  • IT
  • 美容
  • 調理
  • デザイン
  • エンターテインメント
  • 福祉
  • 語学

など、様々な専門分野があります。
その中の一つが、「マンガ・イラスト系」の学科ですね。

名前の通り、
「マンガやイラストを描く技術を学ぶ学校」です。

ただ、“絵を描くだけ”ではありません。
マンガ制作には、

  • 作画
  • ストーリー構成
  • 演出
  • キャラクター設計
  • デジタル技術

など、本当にたくさんの要素があります。

さらに最近では、

  • Web向けマンガ
  • SNS向けマンガ
  • 縦読みマンガ(Webtoon)
  • 動画系コンテンツ

など、求められる表現もかなり多様化しています。

時代によって「マンガの作り方」自体が変わってきているんですよね。

昔はアナログ作業中心の学校が多かったですが、
今はほとんどの学校でデジタル制作がメインになっている印象があります。

卒業後の進路もかなり幅広い

「マンガの専門学校を出たら、みんなマンガ家になるの?」
と思われることもありますが、実際はかなり様々です。

もちろんマンガ制作に関わる仕事へ進む人もいますが、

  • イラスト
  • デザイン
  • Web制作
  • 動画編集
  • コンテンツ制作

など、クリエイティブ業界全体に進むケースも多い印象があります。
逆に、まったく別の業界へ進む人もいます。

今はSNSや個人発信の時代でもあるので、「会社に所属する」以外にも、
個人で活動していく選択肢がかなり増えています。

中には在学中にデビューして、そのままプロとして活動を始める人もいます。

結局のところ、「自分が何をやりたいか」によって、
進路は本当に人それぞれなんですよね。

実は自分も、昔はマンガ専門学校の生徒でした

自分自身も、高校卒業後にマンガの専門学校へ通っていました。

そのあたりについては『プロフィール』ページでも詳しく描いているので、
興味があればぜひ見ていただけたら嬉しいです。

学生時代のことは、今でもかなり覚えています。

当時はまだデジタルでマンガを描く文化がほとんど無く、
完全にアナログ時代でした。

なので、

  • 原稿用紙
  • Gペン
  • スクリーントーン
  • ホワイト修正

など、全部手作業。

今とはかなり制作環境が違います。
でも、「好きなことを学べる場所」という意味では、本当に楽しかったですね。

当時の先生やクラスメートとも、今でも繋がっています。

もちろん、楽しいことばかりではありませんでした。
周りと比べて焦ったり、
「自分は本当にこの道でやっていけるのかな…」
と不安になったり。

創作って楽しい反面、悩みも本当に多いんですよね。

だからこそ今、自分が講師として生徒に接する時は、
単純な技術だけじゃなく、

  • 描き続けること
  • 試行錯誤すること
  • 悩みながらでも前に進むこと

の大切さも伝えられたらいいなと思っています。

授業より大変なのは、実は「授業準備」

講師をやってみて、一番大変だと感じたのは授業準備でした。

正直、授業内容って「学校側が全部用意してくれてるもの」だと思ってたんですが、
実際はかなり講師側が考えるんですよね。

年間スケジュール(シラバス)を組み、授業内容を考え、資料を作る。

しかも特にマニュアルがあるわけでもないので、最初は完全に手探りでした。
これが本当に難しい…。

というのも、マンガって長年描いていると、かなり感覚でやってる部分が多いんです。
でも人に教えるとなると、

  • なぜその描き方になるのか
  • なぜその演出が伝わりやすいのか
  • なぜその順番で作業するのか

を、自分の中で整理して言語化しないといけません。

これがめちゃくちゃ難しい(笑)

授業用資料を作るために、

  • 作業工程を分解したり
  • 図解を作ったり
  • サンプルイラストを描いたり

していると、気づけばかなり時間が溶けています。

「これ、普通に原稿一本描くレベルでは…?」
と思うこともあります(笑)

でも不思議なもので、この“教えるために整理する作業”が、
自分自身の理解にもかなり繋がっています。

また、自分の経験だけだと内容が偏るので、
専門書やYouTubeなどもかなり参考にしています。

講師を始めてから、以前よりも論理的にマンガを考えるようになりました。

毎週、大量のレジュメを、普段の仕事の合間にヒィヒィ言いながら作っています(笑)

本来、自分は“人に教えるタイプ”ではありませんでした

元々、自分はかなり人前が苦手なタイプです。

どちらかというと、一人で黙々と作業していたいタイプ。
人前に立つと緊張しますし、気づけば早口にもなります。

それに昔から、「人に教えること」が本当に苦手でした。

会社員時代も、
「新人教育お願いね」と言われて、

「いや、自分、人に教えるの無理なんで…」
と断っていたくらいです(笑)

なので講師のお話をいただいた当初は、

「本当に自分にできるのかな…」
という不安もかなりありました。

でも、やってみると人間って不思議なもので、少しずつ慣れてくるんですよね。

そして実際に教える側になって感じたのは、

“こちらの方が学ばせてもらっている”

という感覚でした。

人に説明するためには、自分自身がちゃんと理解していないといけません。

教えることで、自分の中の曖昧だった部分に気づかされることも本当に多い。

講師という立場ではありますが、毎回かなり勉強させてもらっています。

若い世代の感性に触れるのは、本当に刺激になる

講師をしていて特に感じるのが、若い世代の感性の柔軟さです。

生徒たちは、いわゆる“令和世代”“Z世代”。

最初は正直、
「ジェネレーションギャップすごそう…」
という謎の恐怖感もありました(笑)

でも実際に接してみると、本当に色んなタイプの人がいます。

何より面白いのが、自分にはない感覚や視点を持っていること。
流行を吸収するスピードも早いですし、表現の発想もかなり自由です。

特に、
「今どんな作品が流行っているのか」
「どんなクリエイターを見ているのか」
みたいな話を聞くのがすごく面白いですね。

長く仕事をしていると、どうしても自分のやり方に慣れてしまいます。

でも新しい世代の感覚に触れることで、
「こういう表現もあるのか」
「今はこういう見せ方が主流なんだな」
と、自分自身のアップデートにも繋がっています。

教えることは、創作を見直すことでもある

講師の仕事は、想像以上に大変です。

授業準備もありますし、人に伝える難しさもあります。

でもその分、自分の創作や考え方を改めて見直すきっかけにもなっています。

そして何より、

「自分はやっぱり、描くことが好きなんだな」

という気持ちを、改めて実感できる仕事でもあります。

これからも、自分自身が学びながら、
マンガ制作の面白さを少しでも伝えていけたらいいなと思っています。

※画像の無断転載・使用・盗用はお止めください。発見した場合、法的手段を取らせて頂きます。